地元の有機野菜や国産の雑穀など安心の食材を使い、
発酵調味料やスパイスで丁寧に作るプラントベースの食事とスイーツ、
フェアトレードのコーヒーやハーブティーを揃えるオーガニックカフェです。
店内にはあちこちに植物が息づき、先代から引き継いだ古具に合わせ、
地元で集めた流木や世界でインスピレーションを受けたネイティブのお守りが飾ります。
ご家族や友人とのお食事やコーヒータイムに、またお一人で本を片手に。
それぞれの心地良い時間、それぞれにとっての「ここはね…」となれたら嬉しく思います。
カフェココハネの野菜やお米は、自社農園で採れたものや、有機・自然栽培をする地元の農家さんから仕入れています。大切に育てられた想いを受け取り、調理させてもらいます。
農薬や化学肥料に頼らず、自然の働きに添って土づくりをする有機農業には、水や土、大気など環境保全の観点、そこに住む動植物の多様性を守り、適地適作・地産地消で地域の文化を大切にする、といった取り組みが含まれます。
私たちの食べるものが、自然の循環や人との繋がりを大切にする社会へと結ぶよう、できる限り目に見える関係性の中で、食材や資材を選びたいと思います。
植物性の食品だけを食べるベジタリアンやヴィーガン、プラントベースと言われる食習慣は、様々な理由や考えのもとに実践されています。私たちが選ぶ理由は、2つあります。
まず、栄養の吸収や消化に負担が少なく、体内の循環を良好に保てるため。ベジタリアンの語源となっている”vegetus”=「活氣ある、元氣な」という言葉通り、身体が軽くて心地良い、という感覚を大切にしています。
もう一つは「制限」を持つことで、よりクリエティブな発想力を呼び覚ますため。アレルギーや体調管理から食事に制限を持つ人が増えている現代。「〜を食べてはいけない」と頭で制限をかけて食事の楽しみを半減させるよりも、その中でこその工夫と想像力を凝らし、素材の持つ可能性を引き出し、十分に美味しく栄養のバランスが取れた食事を作ることもできる。昔ながらの調理法や近年の知見から学びながら、そのような発想の転換に挑んでいます。
身体が教えてくれる感覚、素材と調理に向き合う感性を澄ましながら、プラントベースの食事を作っています。
日本の食卓には、昔から味噌や醤油などの発酵調味料が欠かせませんでした。便利な流通や冷蔵庫など家電の普及で、手作りの調味料や生きた酵母の利用が家庭から姿を消しているのはとても寂しいこと。食材の保存に有効なだけでなく、素材の旨味やコク、酸味が生み出され、余分な砂糖や化学調味料を使わずに味わい深いお料理を作ることができるから。また、温度や湿度などの環境によって表情を変える生きた菌は、季節ごとの身体に必要な栄養を体内に吸収しやすくし、免疫力を高めてくれる存在です。
ココハネでは、米麹を育てて味噌、塩麹、醤油麹、甘酒などを常備し、調理に利用するほか、梅干し、梅酢、発酵野菜(玉ねぎ、キノコ、レモンなど)、アチャール(スパイスを使った漬物)、豆乳ヨーグルトなどを小さなキッチンで醸しています。そして、店内で自家焙煎しているフェアトレードのオーガニックコーヒー。実は、コーヒーも発酵食品の一つです。
菌が育つ過程を楽しみながら、腸内細菌も整えることが日々を健康に過ごす秘訣かもしれません。
日本でお米が主食となったのは、戦後70年ほどのこと。それまでは日本各地でヒエ、粟、キビ、大麦などの雑穀が多品種栽培され、主食とされてきました。栽培期間が多様なだけでなく、お米に比べて気候に左右されることの少ないC4植物に分類され、地域の自給に貢献してきたことでしょう。また、ビタミン、ミネラル、食物繊維の含有量が豊富で、動物性食品の摂取が少なかった時代には、貴重な栄養源であったことが伺えます。
ココハネのメニューには、たくさんの雑穀が使われています。炊き加減でプチプチとした食感やもちもちした質感など味わい深さがあり、見た目にも個性を添えてくれる立役者です。また自社農園では、そば・高黍・もちきび・ささげ・大豆・エゴマなど雑穀の栽培にも励んでいます。その育つ姿の美しいこと!日本の農村風景に欠かせないものではないかと思っています!
毎日の「食べる」は、決して当たり前ではなく、たくさんの繋がりによって叶えられていること。つい忘れがちになります。
作物を作り、届けてくださる方、それらを支えている大地や水などの自然環境、効率的な物流を支える社会のインフラ。さらに食文化は、長い年月をかけて風土と暮らしに合わせて私たちの祖先が脈々と繋いでくれたもの。
これらの奇跡のような繋がりに、そして食べものそのものの命に感謝を持って「いただきます!」を捧げる、その習慣が日々の幸せに気付かせてくれます。