
cafe cocohane
地のもの、旬のもの、素材まるごと
人と環境に調和するオーガニックカフェで
健やかな食を日常に
cocohane | ココハネ
“自然とのつながりを感じ、自分と世界の未知に出逢う場所” をコンセプトに、2019年にオープン。
地元の有機野菜や国産の雑穀など安心の食材を使い、発酵調味料やスパイスで丁寧に作るプラントベースの食事とスイーツ、フェアトレードのコーヒーやハーブティーを揃えるオーガニックカフェです。
店内にはあちこちに植物が息づき、先代から引き継いだ古具に合わせ、地元で集めた流木や世界でインスピレーションを受けたネイティブのお守りが飾ります。
ご家族や友人とのお食事やコーヒータイムに、またお一人で本を片手に。それぞれの心地良い時間をお過ごしください。
ベジタリアンは何のため?
植物性の食品だけを食べるベジタリアンやヴィーガン、プラントベースと言われる食習慣は、様々な理由や考えのもとに実践されています。
私たちが選ぶ理由は、2つあります。
まず、栄養の吸収や消化に負担が少なく、体内の循環を良好に保てるため。ベジタリアンの語源となっている”vegetus”=「活氣ある、元氣な」という言葉通り、身体が軽くて心地良い、という感覚を大切にしています。
もう一つは「制限」を持つことで、よりクリエティブな発想力を呼び覚ますため。アレルギーや体調管理から食事に制限を持つ人が増えている現代。「〜を食べてはいけない」と頭で制限をかけて食事の楽しみを半減させるよりも、その中でこその工夫と想像力を凝らし、素材の持つ可能性を引き出し、十分に美味しく栄養のバランスが取れた食事を作ることもできる。昔ながらの調理法や近年の知見から学びながら、そのような発想の転換に挑んでいます。
身体が教えてくれる感覚、素材と調理に向き合う感性を澄ましながら、プラントベースの食事を作っています。
オーガニックは美味しくて安全?
オーガニックだと美味しいのでしょうか?実は、そうとは限りません。
野菜を取り上げてみると、栽培の過程で化学肥料や農薬を使わない分、旬の栽培・収穫や土地の適性を外すと十分に育てることができません。また調理や加工の過程で添加物を使用しない分、野菜の特性を理解していないと香りや色味を引き出し、またそれらを保つことができないでしょう。
オーガニック=有機物は、自然由来のもの。生産する過程の副産物、余剰物、消費した後も、自然界に還すことができ、ゴミではなく資源となります。有機物の力でその土地をより豊かにすることもできるのです。(ここでは、無農薬無化学肥料栽培も、その土地で堆積する炭素分や植物に集まる微生物の働きを指して、「オーガニック」に含めています。)
オーガニックの食材や消費材を選ぶのは、自然の循環を断つことなく、できるだけ身体や環境に配慮した自給と消費を選びたいからです。
つぶつぶ雑穀の可能性
日本でお米が主食となったのは、戦後70年ほどのこと。それまでは日本各地でヒエ、粟、キビ、大麦などの雑穀が多品種栽培され、主食とされてきました。栽培期間がそれぞれに異なるだけでなく、お米に比べて気候に左右されることの少ないC4植物に分類され、地域の自給に貢献してきたことでしょう。
それ以外にも、ビタミン、ミネラル、食物繊維の含有量が豊富で、動物性食品の摂取が少なかった時代には、貴重な栄養源であったことが伺えます。
ココハネのメニューには、たくさんの雑穀が使われています。炊き加減でプチプチとした食感やもちもちした質感など味わい深さがあり、見た目にも個性を添えてくれる立役者です。
発酵で変化する楽しみを
日本の食卓には、昔から味噌や醤油などの発酵調味料が欠かせませんでした。便利な流通や冷蔵庫など家電の普及で、手作りの調味料や生きた酵母の利用が家庭から姿を消しているのはとても寂しいこと。食材の保存に有効なだけでなく、素材の旨味やコク、酸味が生み出され、余分な砂糖や化学調味料を使わずに味わい深いお料理を作ることができるから。また、温度や湿度などの環境によって表情を変える生きた菌は、それぞれの季節に身体に必要な栄養を体内に吸収しやすくし、免疫力を高めてくれる存在です。
ココハネでは、玄米麹を育てて味噌、塩麹、醤油麹、発酵小豆、甘酒などを常備し、調理に利用するほか、梅干し、梅酢、発酵野菜(玉ねぎ、キノコ、レモンなど)、アチャール(スパイスを使った漬物)、豆乳ヨーグルト、ミキ、テンペなど小さなキッチンで醸しています。また、主食となる発酵玄米、野菜や果物の自家製酵母を使ったパン作りも日常となっています。そして、店内で自家焙煎しているフェアトレードのオーガニックコーヒー。実は、コーヒーも発酵食品の一つです。
菌が育つ過程を楽しみながら、腸内細菌も整えることが日々を健康に過ごす秘訣です。