About

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未知の世界にあんのんを

1995年の阪神淡路大震災で倒壊した商店街に、「安心と希望の居場所を」という父の願いで建てられたあんのん舘。
そんな父が他界し、この場を引き継ぐことになりました。

海外で生活していた僕には、実ははじめ自信もモチベーションもありませんでした。けれど、ずっと昔から感じてきた生きづらさとともに、この場に向き合うことを決めたきっかけも、また皮肉なことに東日本大震災による原発事故です。

自然を壊して過剰なエネルギーを作り出し、工業生産と消費を繰り返す社会で、なんのために働き、なんのために生きるのか。人種や信念の違いで互いを排除し、育ちや生業の違いで互いを比べ、なにを奪い、なにを得たいのか。

この生きづらさは、現代の多くの人と共有する感覚かもしれない。だとしたら、それを解きほぐし、安心と希望を見出せる場所として、自分なりの方法でこの場を再開してみよう。

そう思い立ち、自身と世界の未知に出会い、それぞれの安穏を見つける場として、カフェとヨガスタジオをオープンしました。

(2017年に2Fスタジオあわい、2019年に1Fカフェココハネをオープン)

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Concept

大切にしていること

未知と出会い、つながる

あんのん舘のはじまりと人生の転機につながった阪神淡路大震災、その後、東日本大震災を目の当たりにし、想像もしないことが起こりうる世界に生きていることを、あらためて実感しました。 天災だけでなく、家族の生き死に、ウィルスの蔓延など、見通しのつかないのが人生だと思います。加えて、政変や、AIなどの技術革新によって、社会の様相も刻々と変わりゆく。 その中で、自分だけが変わらずに立ち止まることはできません。時に訪れる未知の出来事は、試練となるかもしれません。その中でも、自身を変化させ、乗り越えていくには、多様な価値観に触れ、違いを認め合い、繋がりを感じる場が必要だと思いました。 さまざまな価値観や未知との出会いの場となることを目指します。

創造する暮らし

あんのん舘では、できるだけ暮らしのものを自分たちの手で作るよう努めています。 館内の内装をはじめ、エネルギーの仕組み、雨水の貯蔵、菜園、生ゴミの循環、食器、調味料、洗剤など。 手で創ることは、仕組みとそれぞれの関係性を考えることであり、過剰にエネルギーを使ったり、プラスチックなどの工業製品を使い捨てることを回避できます。 日々の暮らしを創造することは、望む未来を創造する歩みだと考えます。

食べることは生きること

わたしたちの身体は食べるものでできている、とはよく言われることですが。森を拓き、田畑を耕し、自分たちの食べるものやエネルギーをその土地で賄っていた時代から時が経ち、生きることと切に結びつけて実感することが乏しくなってしまったのが、現代の便利な食事情と言えるかもしれません。 毎回の食事作りに時間をかけるのは、誰にとっても難しいもの。けれど、食に手軽さや安価ばかりを求めると、心と身体の生命力が失われてしまうのも確かです。 そんな時ヒントとなるのは、昔から日本で大切にされてきた身土不二や一物全体の考え(地のもの、旬のもの、素材丸ごと)。時間のある時に仕込んでおいた発酵食品や調味料を加えれば、シンプルな調理でも、十分な栄養と味わいをもたらしてくれるでしょう。 これらをキーワードに日々探求を続け、健やかな食を日常にします。

カラダとココロへの気づき

忙しい毎日を送る現代人には、想像よりもたくさんのストレスが掛かっています。例えば、満員電車で味わうストレスは、戦闘機で敵機に対峙する緊張に劣らないというデータもあるほど。 ストレスによって硬直した身体と心は、本来の機能や能力を発揮することができません。不安や心配ごとで、消化器官が弱って炎症を起こすばかりか、直観が働かなくなったり。疲労を溜め込んで、目覚めも顔色も優れずに、感性も鈍ってくる。 本来、完璧なバランスを持って存在し、生命を支えるカラダとココロ。時に、その働きとバランスを整えることが必要です。 ヨガを通して、カラダとココロのありのままの姿に気づき、調和を取り戻します。

知識の扉

未知の世界をのぞき、先人の知恵を学び、心の旅に連れ出してくれる、知の力。 あんのん舘の本棚は、そんな知識の宝庫です。 取り入れた知識は、人生の中で自分の考えと照らし合わせ、実践する中で経験や知恵と結びつく。年月を重ねるごとに、厚みを増す知識の層は、形を変え、複雑に交差しながら、自身の思考や想像力をふくよかにしてくれるものではないでしょうか。 哲学、思想、ネイティブマインド、自然科学、社会、環境、暮らし、コミュニティ、ヨガ、瞑想、料理、旅、小説、絵本、ちょっと偏っているかもしれません….。 それでも、ピンとくる書物があれば、好きなだけ手に取り、扉を開いてみてください。

地球のコミュニティ

わたしたち一人一人は違う人間。それでも共有するものがたくさんあります。 同じ地球に生きる命であり、同じ進化を遂げてヒトへと歩を進めた。これから先、気候変動による天変地異が起きたり、世界中にウィルスが蔓延すれば、共に苦難に直面する共同体でもあります。もっと身近な地域では、同じ季節が訪れ、同じ政策のもとに暮らし、同じ駅や学校を利用し、たとえ見知らぬ仲でも互いに関与している間柄。 それぞれに大切なもの、喜び、悲しみを抱える個性だからこそ、交わり、手を取り合うことで、1人ではできないことも、叶えられるのだと思います。 それぞれの望む未来を共有し、支え合うコミュティに貢献したいと願います。 *取り組みの一つとして、地域の繋がりと自給を目指すトランジションタウン西宮の活動に参加しています。